みずいろの町

スクアーロ(18):アイドル。ディーノと組んでいる ザンザス(20):売れっ子モデル ディーノ(18):スクアーロの相方 ベル(16):モデル ロマーリオ:スクアーロ達のマネージャー 「あ、スクアーロ〜見て見て」 「あ?何だよ」 新曲PV撮影の休憩時間。俺が必死に苦手な部分の復習をしていれば、隣にいたディーノに声をかけられた。というか俺よりNG出すのが多いのに何でそんなに余裕なんだ。 文句の一つでも言おうとすれば、目の前に雑誌が突き付けられる。 その特集ページに俺はなにも言えなくなった。 「ザンザスのインタビュー記事。最近この手の仕事増えたみたいだな」 「よこせっ!」 「破るなよ〜まだ見てないんだから」 横から覗き込んだディーノがブツブツ何か言ってるがそんなことは無視。写真の男に俺は釘付けだ。 このザンザスという男と初めて会ったのは二月ほど前のこと。人気ドラマの撮影現場。 俺は前の仕事が押していて遅刻ギリギリで現場入りした。そうしたら俺以外の面々はもう着替え終わってて、慌てて挨拶に行こうとした俺は機材につまずいて転びそうになった。そこを助けてくれたのがザンザスだったのだ。ありきたりな話だけど、アイツの後ろに後光が差して見えた。 ボーッとしてたらきちんと立たせてくれて、髪を触られて小さく笑われた。 そしてあの低くて腰にクる声で「伸ばしてるのか。似合うな」って言われた瞬間、俺はノックアウト。 生まれて初めて一目惚れというのをした俺は、撮影が終わった後、勇気を振り絞ってメルアドと番号を交換したのだ。 そして現在は他愛もないメールを週に一度送るので精一杯。電話は怖くてできない。ミーハーなファンと同じようにザンザスが出ている雑誌を片っ端から買い漁っている。 かなり末期だと思うがどうしようもない。 だって向こうはトップモデル。俺はといえばようやく売れ出したアイドル。月とすっぽんみたいなものだ。 それに、俺は男だ。男に好きだなんて言われたら嫌だろう。 ドラマの役とは違う素顔で写ってる写真を見てため息を一つ。 「何で俺女じゃなかったんだろ…」 「ど、どうしたんだよ急に」 「俺が女だったら絶対グラビアアイドル並のスタイルだった筈なのに!」 「そこかよ!?ってかスクアーロ正気…?」 「正気だぁ!」 ディーノに驚かれたけど気にしない。 とりあえず雑誌の事できっかけが作れたからメールしてみようか。 返事が返ってきたら、きっとこの後の仕事も頑張れる。 自分で自分を励ましながら俺は震えるてでメールを打ち始めたのだった。 **** 「ねーボスとスクアーロってどこまでいってんの?」 「は?」 雑誌の撮影合間の休憩時間。 ドラマで共演している王子から尋ねられた内容にザンザスは固まった。 どういう意味だと相手を見れば、尋ねた王子の方が不思議そうに首をかしげている。 「あっれー?絶対そうだと思ったんだけどな」 「だから何がだ」 「スク先輩がそうなだけか。ボスは罪な男だね」 ペラペラ一人で喋りながらベルはザンザスの髪を弄っている。 それは最近の彼の暇潰しらしく、ザンザスは大人しく髪を提供していた。整髪剤を大量に手につけているからオールバックにでもするのだろう。 ベルが小さく口ずさんでいる曲は共演しているドラマの主題歌。確かスクアーロが歌っている筈だ。 スクアーロはドラマのお陰で最近ようやく売れ出したアイドルユニットの片割れ。その銀糸の青年を思い出すと何故か自分の口元が自然と弛む。 不快な気持ちではないと思いながら雑誌を見ていれば、テーブルに置いておいた携帯がメールの受信を知らせた。 開けてみれば先程まで考えていた件の彼からだ。 ------- 件名:お疲れ様です! 本文:仕事中だったらすみません。「Je」の対談特集読みました!写真でしてた新作のブレス、カッコいいですね。今度買おうと思います! -------- 週に一度来るか来ないかのメール。 横から除き込んだベルは猫被りすぎで笑えると騒いでいた。 そんなベルをよそに、あのブレスは売れて中々手に入らなくなってしまったらしいから、持っているのをあげようとザンザスは返事を打ち出す。 それがうち終わる頃ひとしきり笑ったベルはザンザスから携帯を取り上げるとニヤリと笑った。 「先輩に特効薬送ってやろ」 その数分後。 返事を今か今かと待っていたスクアーロは、届いたメールの内容に気を失いそうになった。 本文は自分が使った物で良ければあげるということと、詳しくは今夜電話するということ。 それに加えて添付されていた写真は、ゴシック系の服に身を包んだザンザスがベルと一緒に写っていた。見慣れないオールバックの髪型が見れて、スクアーロは携帯を持ったまま床に座り込んだ。 「スクアーロ大丈夫!?」 「俺もう死んでもいい…」 「ロマーリオ!スクアーロが変だよー!」

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旧拍手文

Yayoi Jugo