赤い花-Un fiore rosso-
銀は赤と黒に良く映える。
二人連れだって歩いていると嫌でも目をひく。
遠巻きに視線を送られているが、当の本人達はさして気にはしていないようだ。
銀髪の生徒が笑い、黒髪の生徒も時折口元を緩める。
そんな光景をベランダから見るともなしに見ていたディーノは、
数拍遅れて自分を呼んでいる声に気が付いた。
「おい、ディーノ!このヘナチョコ!!」
「んぁ!?な、何、スクアーロ」
慌ててベランダから身を乗り出せば、先程まで眺めていた銀髪が自分を見上げている。
その手にあるのは先日自分が貸した本だ。
「借りた本読み終わったからよぉ、いつ返したらいいか聞いてんだ!!」
「えっ、もう読んだのか!?だってそれドイツ語…」
「専用の翻訳機がいるからチョロイっての」
そう言って得意気に笑うスクアーロを、彼が言うところの翻訳機がど突く。
蹲ったスクアーロの手から本を奪ったザンザスは、
遠慮無くそれをディーノに向かって投げ付けた。
「いだあっ!!」
「返したぞ」
「う゛ぉいザンザスっ!!ディーノ大丈夫かぁ!?」
「な、何とか…」
赤くなった鼻を押さえながらディーノはスクアーロに手を振る。
それを見て安心したように息を吐き出したスクアーロの腕を掴むと、
ザンザスは校門に向かって歩いて行く。
ぎゃあぎゃあ大騒ぎしながら遠ざかって行く二人を見送ると、
ディーノはヘタリと床にしゃがみ込んだ。
「怖っわぁ…」
振り向きざまに睨まれた紅の瞳を思い出して身を震わせる。
相変わらずあの御曹司は、銀髪の人形が大のお気に入りらしい。
「俺じゃなくてもっと他の奴けん制したらいいのに」
ぽつりと呟かれた言葉は風に乗って消えた。
- end -
捏造もいいとこの学生編です。
スクは学園の高嶺の花で、その横には当然のようにいつもザン様がおるのです。
ディーノとスクは仲良しで、ザン様はそれに嫉妬してたらいい。
まだ名前で呼べてた柔らかい昔の記憶
Yayoi Jugo