レゾンデートル -D'etre di Raison-
※捏造話につき注意
欲しいものが、あったんだ
『まあ、よくできたわね。流石お兄ちゃんね』
欲しくて、欲しくてたまらなかったモノ
『やっぱりベルとは違うわね。さすがね』
僕をみて。お母様
『キャアアア!!何を、何をしたのベルフェゴール!!』
お兄様はもういないよ、お母様。
『汚らわしい!この悪魔!!』
お母様…
ドウシテ、愛シテ、クレナイノ…?
*****
「ベルぅー?」
体の上に乗る適度な重みと子供特有の体温。
それらを感じてベルが目を覚ませば、自分の顔を覗き込んでいる幼子の顔がある。
「アロ…?」
「ドルチェのじかんだよぉ」
皆サロンにいるよ、とアロはニコニコと告げる。
いつまで経っても現われない自分を探しに来てくれたらしい。
そんなアロには悪いが、ベルはドルチェを食べる気にはなれなかった。
むしろ人に会いたくない。
床に小さな体を立たせ、ベルはごめんねと呟いた。
「後で食べるって言っといて」
「う…?ベルいかないの…?」
「うん…ごめんね」
ベッドに俯せて手だけを伸ばし、ベルは柔らかい銀糸を撫でてやる。
サラサラと流れるような感触。
兄の髪はどうだっただろう。
そんなことを考えている自分に気付き、ベルは自嘲気味に口元を歪める。
――自分で、殺したくせに
悪魔、と母親は罵った。
着飾る事とお喋りしか能のない馬鹿な女が自分の母だ。
そんな女に愛されなかった自分は幸だったのか不幸だったのか。
そんなことを考えながら幼子の髪を梳く。
暫く大人しくしていたアロだったが、おもむろに大きなベルの手を掴んだ。
「アロ?」
「ベル、いたいの?ここ、いたいの?」
ここが痛いのかとアロは自分の胸に手を置く。
それにベルは素直に頷いた。
「そうだねーそこ痛いかも」
「なんで…?」
「……アロの髪が綺麗だから、かな」
綺麗な銀糸。兄の髪と同じ色。
ぼんやりと自分を見つめるベルに、アロは小さな手でぎゅうっとベルの手を握った。
「ベルのかみは、おひさまなんだよっ」
「おひさま?」
「ザンがいってた!ベルのかみは、おひさまみたいできれいなの!!アロ、ベルのかみしゅき!」
真っ直ぐな目が自分を好きだと言ってくれている。
情けなくも震える声で、ベルはアロに問い掛けた。
「ホントに…?ホントに好き…?」
「うんっ!アロ、ベルしゅきだよ!」
ニコリと破顔した幼い子を思わず抱き上げた。
そのままベッドに引きずり込んで抱き締めれば、体温と鼓動が伝わってくる。
子供のように泣きそうな自分を誤魔化す為に、ベルはわざと明るくアロに話しかけた。
「じゃあさアロ。王子と結婚する?」
「けっこんってなぁに?」
「大好きな人とずっと一緒にいるって約束すること」
「いいよぉ。アロ、ベルとけっこんしゅる」
無邪気な顔で微笑むアロの鼻先に、ベルは軽くキスをする。
ありったけの感謝と愛情を込めて。
ありがとう。僕を愛してくれた初めての人。
- continuous -
色々捏造すんません(汗)
つかベルのプロポーズ(?)がボスにバレたらやばいことになりそうだ(笑)
Yayoi Jugo