チビアロとチビザンとサンタさん -PocoAlo&PocoXan e Babbo Natale-

今シーズン初めて雪が降った日の朝。 空調が整っているため寒くはないヴァリアー本部をベルはあくびをしながら歩いていた。 すれ違うたび生真面目に挨拶をしてくる隊員達に生返事を返しながらサロンを目指す。 中に入ればいつも元気な弟達がテーブルで何かを書いているところだった。 「あれ、外で遊ばねぇの?」 「あーベルおはよー」 「おはようベル。あのな、おしごとおわってから遊ぶんだ」 「仕事?」 「サンタしゃんにおてがみだすの!」 「パパンがな、サンタさんはいそがしいから、アロとおれのプレゼントわすれないように、おてがみかきなさいって!」 「ふーん…」 興味が無い風を装ったベルだが、内心は笑い出したくてたまらなかった。 あの強面の上司がどんな顔でそれを伝えたのだろうとか、 二人のプレゼントを選ぶために考えた方法がメルヘン過ぎだろうとか思ったが、アロとザンの夢を壊してはいけない。 壊したら最後、自分は上司に消されてしまいそうだ。 紙を除き込めば色とりどりのクレヨンが白い紙を彩っていた。 「アロは何が欲しいの?」 「ガオレンジャーのへんしんベルト!」 満面の笑みで答えるアロは、女の子のような見かけに反してヒーローごっこが好きだった。 ガオレンジャーはジャッポーネの特撮ヒーロー。 家光が持ってきた子供向けDVDで見たアロはそれが大好きで、最近任務が無いときはもっぱらごっこ遊びに付き合わされる。 勿論王子であるベルは敵怪人ではなく味方だ。 怪人役は運悪く通りかかった平隊員になるのだからたちが悪い。 アロが主題歌を歌いながら描いていくのを見ながら、 きっと誰かがジャッポーネに行くはめになるのだろうなとベルは思った。 上司はそこまで息子を溺愛している。 「ザンは何?」 「あたらしい絵本がほしい」 確かにザンの画用紙には本の表紙が沢山描いてある。 読書好きな息子の為に下手をすれば図書館まで買い取るんじゃないだろうかと思う。 と、そこでもう一枚の画用紙がテーブルの上にあることにベルは気付いた。 「あれ、これなに?」 「それはマーモンがかいたんだ」 「キッシュだって!」 「ちがうティッシュだ」 「あー…多分キャッシュだろ…」 画用紙の真ん中には四角い札束が描かれている。 描いた本人はといえば、スクアーロと一緒にルッスーリアの買い物に連れ出されたらしい。 仕方がないと頭をかいて、ベルは描いた絵を預かると告げた。 「王子はサンタクロースと知り合いだから渡してやるよ」 「ホントか!?」 「ベルしゅごいね!」 「だって俺王子だもん」 **おまけ** 【ザンザスの執務室にて】 「何だこれは」 「アロとザンとマーモンからのプレゼントのリストだよ。 アロはガオレンジャーの変身ベルト、ザンは絵本。マーモンはキャッシュだって」 「で?この雑誌の切り抜きは何だ」 「このコート王子に似合うと思わない?」 「……あまり渡すなとスクアーロに言われてるんだがな」(ゴールドカードを渡す) 「あれ?ボス行かねぇの?」 「あ?」 「たまには王子とショッピングしようよ!」 「…仕方ねぇな」 「しししっ!」

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