チビアロ、仕事の手伝いをする -PocoAlo aiuta con lavoro-

食事が終われば仕事の時間がやってくる。 それなのに一向に執務室に行こうとしないザンザスにスクアーロはイライラしていた。 「う゛ぉい!アンタ仕事溜まってるって言ってただろぉがぁ!さっさと執務室行け!」 「……今日は休む」 「書類はどうするんだよ!」 「お前がやれ」 上司は子供を膝に乗せたまま一向に動こうとしない。 呆れ果てたスクアーロが盛大に息を吐き出せば、アロが不安そうな顔で見上げて来る。 「ママン?」 「おいアロ。お前ボスに仕事しろって言ってやれ」 「しごと?」 「そうだ。仕事しなきゃダメだってな」 「ぼしゅ。おしごとしなきゃ、めっ、よ」 ぷくーと頬を膨らませ、アロはザンザスを見上げる。 それを見たザンザスはアロを抱いたまま立ち上がった。 おおよそ怒っているとは思えない表情だが、ザンザスには効果覿面だったらしい。 そのまま寝室を後にした上司を、困ったように頭をかいてスクアーロは後を追った。 ***** 山のように詰まれた書類に目を通し、サインと判を押していく。 予め今日は誰も部屋に近付くなと言っておいたから、部屋の前付近には何の気配もない。 スクアーロはソファに座って書類の整理をし、アロはその様子をおとなしく眺めていた。 「こっちは終わったぞぉ」 「置いておけ」 「…コーヒー持ってくる」 「ついでに置いてこい」 渡されたのはサインし終えた大量の書類。 文句を言えば殴られるのが解っていたので、 仕方なしにそれを持ってスクアーロは部屋を後にする。 それを見送ったアロはソファから飛び下りザンザスの元へ向かった。 「ぼしゅーだっこー」 「………………」 膝に手を置き見上げてくる小さな体を抱き上げ、膝に乗せてやれば、 アロは大はしゃぎで机の上を見回す。 こんなに沢山の紙を見たのは初めてだったようだ。 「ぼしゅ、これなに?」 「俺の仕事だ」 「おしごと。アロもおしごとしゅるー」 「お前では無理だ」 「やぁだぁ!アロもおしごとしゅるー!!」 ジタバタと机に手を伸ばす幼子に、さてどうしたものかとザンザスは考える。 その時ふと目の端に止まった物を見て、これならいいかとアロに判を渡した。 その結果起こる大惨事を、誰が予想しただろう。 スクアーロがコーヒーとココアを持って帰ってくれば、 見慣れた重厚な作りの卓上は見るも無残な状況だった。 書類は死守されていたが、上司と幼子の服や顔は朱肉やインクの汚れでグチャグチャだ。 一体何をどうすればこうなるのだろう。 「スクアーロ…」 「……とりあえず風呂行けよ」 珍しく本気で困っている上司に、アロと一緒に風呂に入って来る事を薦めた。 どうやらこの調子では今日は仕事にならなそうだ。 出て行った背と山と積まれた書類を見比べて、 知った事かとスクアーロは勢い良く執務室のドアを閉めたのだった。

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