チビアロ、おじいちゃんと出会う前編
-PocoAlo incontra un nonno.La prima parte-

「アローアロどこー」 「降参するから出ておいでよ」 「あらっ、どうしたの二人とも」 四人分のお茶を手に庭に出てみれば、金髪王子とフードを被った幼児が、 草むらを掻き分けたり木に登ったりしながら声を張り上げていた。 「あっルッス。アロ見なかった?」 「見てないわよ。どうしたの?」 「かくれんぼしてたんだけどアロが見つからないんだ」 幼子の足だしそう遠くに行く筈はないけれど、と言いながらも二人は心配そうだ。 ボンゴレの屋敷は広いから、庭の奥で迷ってしまっているのかもしれない。 「とりあえず人を集めて手分けして探しましょう」 かくしてアロの大捜索がヴァリアー本部で行われる事となった。 ***** とてとてと小さな足音を立ててアロは庭を走り回る。 早く遠くまで逃げなければという事で頭がいっぱいで、他の事まで頭が回らない。 その為長い髪には木の枝や葉が絡み付いていた。 ズボッ、と草むらから抜ければ、目の前にテラスが見えた。 中へと続くドアは開いており、白いレースのカーテンが風で揺れている。 あそこなら隠れてもいいかなとアロはそちらへ走って行く。 テラスから中へ足を踏み入れれば、少々驚いた声が聞こえた。 「おや。庭からお客様とは珍しい」 声の聞こえた方向を見れば、優しい笑みを浮かべた翁がアロを見ていた。 アロは不思議そうに首を傾げると、椅子に座っている翁へと近付く。 「だぁれ?」 「ただのお爺さんだよ。きみは?」 「アロはアロだよぉ」 自分を見上げて微笑む顔に、何故かふと息子の剣を思い出す。 彼の名は確か… 「スペルビ・スクアーロ…」 呟けば違うと反論する幼子の声。 良く聞けば、それは自分の母親の名前だという。 「スペルビくんがきみの母親?」 「ん。ぼしゅがおしえてくれたの」 「ぼしゅ?きみにもボスがいるのかい?」 「うん。アロのぼしゅはアロのパパンだよ」 「……きみの父親の名前は?」 恐る恐る尋ねれば、かえって来たのは息子の名前。 それに思わず幼子を抱き上げてしまった。 「どーしたのぉ?」 「…抱っこは嫌かい?」 「ううん。しゅきだよ」 アロはニコリと微笑んで、翁の顔に手を伸ばす。 そのままペタペタと顔を触り、手を伸ばして頭を撫でた。 子供特有の馴染みのない高い体温が何処かくすぐったい。 長い絹糸のような髪に絡んでいた木の枝や葉を取ってやっていれば、静かに聞こえるノック音。 入室を許可すると入ってきたのは見知った男。 いつも笑顔を浮かべているその顔が驚きの表情で固まり、翁は悪いと思いながらも笑ってしまう。 「きゅ、9代目。その子供は…」 「可愛いだろう?私の孫だ」 「孫ぉ!!?」 「う?まごってなーに?」 「私はアロのおじいさん。ノンノだよ」 「おじーさんってなぁに?」 「私はアロのパパンのパパンだよ」 9代目の言葉に、今度はアロが目を大きくする番だった。

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