チビアロとチビザン、10代目御一行と出会う
-PocoAlo&PocoXan incontrano la decima generazione-
その日は朝から屋敷の中が騒がしかった。
メイドや執事は勿論の事、幹部達もピリピリしている。
そんな中でも子供達はおかまいなしだ。
恒例の鬼ごっこがベルとマーモンを加えて始まったのだが、
あまりの騒がしさにルッスーリアに雷を落とされた。
ベルとマーモンには仕事が与えられ、
アロとザンは子供部屋と化したスクアーロの私室に追いやられる。
二人は仕方なく絵本を読んでいたのだが、飽きたアロはのそのそとザンに近付いた。
「ザンあーそーぼー」
「本よんでる」
「ダメーあそぶのー」
俯せで本を読んでたザンの背に跨がりアロは横から顔を覗き込む。
だがザンは気にせず本を読み続けており、それに頬を膨らますと、
アロはザンの絵本を取り上げた。
「あっ!」
「あそぶのー」
「かえせ」
「だーめ!」
伸ばされた手を振り切って、アロは素早く立ち上がると本を抱えたままベッドに飛び乗る。
ザンがその後を追えば、今度は身軽にソファの上へ。
捕まえようとすればヒラリとすり抜けられる。
捕まえられないのが悔しくてザンが縫いぐるみを投げ付ければ、
それを避けてアロはクスクスと笑う。
「アロ本かえせ」
「つかまえたらいーよー」
鬼ごっこが楽しくなってきて、二人共笑いながら部屋の中を走り回る。
だが数分後、ザンより体力の無いアロは疲れてきて、このままでは捕まると思い、
ドアを開け廊下へと駆け出した。
反射的にザンもその後を追い、再び屋敷での鬼ごっこが始まる。
「アロ、まて!」
「やーだ!」
廊下を駆け抜け、中央の階段を駆け降りる。
一階に降りるがそこに人影があり、しかし急には止まれず、アロはその足に激突した。
べシャッと尻餅をついたアロに、ぶつかられた青年は慌ててしまう。
「ご、ごめんね!大丈夫かな?」
「ん、だいじょぶ。ごめんなさい」
ふかふかの絨毯が幸いしたのか怪我もせず、アロは立ち上がると謝罪の言葉を口にする。
と、そこで初めて自分が大人達に囲まれている事に気が付いた。
ルッスーリアとレヴィは気まずそうに視線を逸し、マーモンとベルは苦笑いを浮かべ、
スクアーロは頭を抱えている。
それにアロが首を傾げれば、自分がぶつかった相手は戸惑いながら口を開いた。
「ねぇザンザス…このスクアーロに良く似た子は…」
「………息子だ」
「え…えぇええ!!?」
「スクアーロお前女だったのか!?」
「驚いたなーいつ産んだんだ?」
「産めるかぁ!!」
俺は男だと反論しかけたスクアーロだが、パンッと甲高い音に遮られる。
驚いてそちらを見れば、アロを背に庇うザンがいる。
そしてその前には困惑の表情を浮かべる9代目の姿。
「アロにさわるな!」
「ザン手ぇはなしてーアロ、ノンノにいくー」
「いくな!」
ぎゅうと力一杯手を握られ、睨まれる。
それにアロは反射的に手を上げた。
頬を打つ甲高い音がホールに響く。
次いで泣き声が響き渡るが、泣いたのはザンではなく、頬を叩いたアロの方だった。
「うぁああんっザンのばかぁ〜なんでいじわるするのぉ〜」
「…してない」
「手ぇいたいよぉ〜うぁああんっノンノ〜」
「っっ…アロのバカ!アイツらおれを凍らせたんだ!!アロだってそうなるかもしれないんだぞ!」
「ノンノそんなことしないもんっ!バカって言ったほうがバカなんだからぁ!!」
そのまま取っ組み合いの喧嘩に発展した二人を、慌ててルッスーリアとレヴィが止めに入る。
だが他の大人達は動けないでいた。
『あいつら』が『おれを凍らせた』と言ったザンの言葉が耳から離れない。
困惑の表情を浮かべているスクアーロの服をマーモンは軽く引っ張った。
「ザンは少し感受性が強い子みたいだよ」
「どういう事だぁ…?」
「霊感があるみたい。見たり話したりできるレベルだね」
それから、と珍しく言葉を濁したマーモンが発した言葉に、スクアーロの白い顔が更に白くなる。
「断片的にみたいだけど…ザンにはボスの昔の記憶があるみたい」
静かにだが重い言葉がのしかかる。
屋敷に響くのは子供達の泣き声。
それにつられるかのように、空には暗雲がたちこめていた。
- continuous -
あまり10代目御一行出せなかったなぁ…
今度リベンジしたいです!
Yayoi Jugo