最終調整 -Ultima rettifica-
渡された手紙を丁寧に封筒にしまうと、9代目は向かいのソファに座る二人に微笑んだ。
「理由はわかったよ。結婚式をするんだね」
「うんっ」
「だからね、ノンノのおはなすこしちょーだい」
アロが言っているのは9代目が趣味で育てている薔薇の事だ。
可愛い孫の頼みに勿論だと微笑み、ふと気付く。
「そういえば…結婚式はいつなんだい?」
「あしただよぉ」
「しょーたいじょーだしたってツナさんが」
「「9代目ぇええ!!!」」
突然大声と共にドアが開かれる。
飛び込んで来たのは家光とテュールで、それぞれの手には手紙が握られていた。
「そんなに慌てて何事かね?」
「ザンザスとスクアーロの結婚式招待状が来てたんですがっ!!」
「何故教えてくれなかったんですか!!」
「何故って…私も今知ったばかりだからねぇ」
慌てている二人とは対照的に、のほほんと紅茶のカップに口をつける。
そんな光景を見て家光とテュールは息を吐き出した。
「9代目ぇ。結婚ですよ結婚。もう少し慌てても…」
「ああ……スペルビに『おとうさん今までお世話になりました』とか言われたらどうしたら…!!」
「お、おい泣くなテュール!」
「テュールおじちゃん、どっかいたいの!?」
「だいじょぶか!?」
「〜〜〜〜〜〜っっ…スペルビー!!」
「ふぎゅうっ!!」
「わーおじちゃんアロがつぶれるっ!!」
慌ててザンが止めに入るがテュールはぎゅうぎゅうとアロを抱き締めている。
どうやらスクアーロの小さい頃を思い出してしまったらしい。
いつもと違い賑やかな室内に9代目が目を細めれば内線が鳴る。
受話器を取れば手紙をくれた息子の部下からだ。
「手紙は見たよ。……ああ大丈夫。任せてくれて構わない」
二、三打ち合わせをして電話を切る。
そして相変わらずそわそわしている家光に声をかけた。
「少し手伝ってくれないか?」
「は…しかし何を…?」
「ブーケの準備だよ」
*****
「ちょっと王子が雑用とかありえないんだけど!」
「仕方ないだろ。二人がいない今日中に仕上げなきゃいけないんだから。ほら上げて」
「もー」
一方こちらはヴァリアー本部の中庭。
アロとザンが用意していた結婚式について知ったルッスーリアが幹部達に声掛けし、
急ピッチに飾り付けが行われている。
流石に本人達がいる前で飾り付けができない為、急遽綱吉が二人に出張を言い渡した。
明日帰還予定なのでぬかりはない。
「つかルッスとレヴィはどこ?」
「ルッスはドレスの最終調整。レヴィは料理とかの手配。ほらベル手動かして」
「はいはい」
いよいよ結婚式は明日。
果たして間に合うのでしょうか…?
- continuous -