ライオン
ドアを開けたらライオンが寝ていた。
つかつかとそちらに歩み寄り、ソファを占領している人物の腹に遠慮無く腰掛けた。
流石に驚いたらしく目を覚ました了平をヒバリは無表情に見つめる。
ヒバリを見て何故目が覚めたか理解した了平は呑気に欠伸をした。
「委員会は終わったのか?」
「じゃなきゃここにいないよ」
「それもそうだな」
ヒト一人を腹に乗せているのに了平は普通に喋っている。
何だか面白くなくて、ヒバリは更に体重をかけた。
「うぉ!?ヒバリ?」
「何でここにいるの」
「うむ。部活が休みだから一緒に帰ろうと思ってな」
「寝言は寝て言いなよ」
「別に俺は寝てないぞ」
真面目な顔で言い返す了平に、そういえばこの男に皮肉は通じないのだったと思い出す。
珍しくヒバリが溜め息を吐けば、何を勘違いしたのか了平にくしゃりと髪を撫でられた。
「委員長は大変だな」
「別に…」
大きく武骨な手が髪を梳く。
似合わない、こんなの。
思わず口元が緩みそうになって、隠すようにヒバリは了平から飛び下りた。
「ヒバリ?」
「何してるの。帰るんでしょ」
返事を聞く前にヒバリは鞄を持ってドアへと向かう。
それに了平は慌てて起き上がると、鞄を掴んで後を追った。
「ヒバリ、寄り道をする!」
「風紀委員の前で予告するなんていい度胸だね」
「多少は大目に見んか!京子に教えてもらったたいやき屋に行くぞ」
その日並盛中の生徒は腕を掴まれてズルズルと引きずられていく
風紀委員長を目にする事になったそうな。
- end -