君はペット sidS

犬を拾った。 かなり弱ってたから助からねぇかなと思いながらも医者に連れてったら (シャマルが俺は人医だとか騒いでたが無視した)次の日には復活していた。 ガツガツとメシをかき込んでいる犬の毛色は黒。目の色は赤で少し釣り目。 ちょっと、可愛い… 「スクアーロ。コイツもう大丈夫だから連れてけよ」 「おう、ありがとうなぁ」 礼だと金を渡して、メシを食い終わって一息ついてる犬の前にしゃがむ。 俺を見上げる赤い目に微笑んで手を差し出した。 「俺と一緒に来るかぁ?」 ***** 「おいおきろスクアーロ」 「あー…?」 体が揺さぶられており、聞き慣れた声がする。 体を起こせば夢の中より少し背が高くなった飼い犬の姿。 懐かしい夢を見たものだとあくびをすれば、目の前に時計が突き付けられる。 「ちこくだ」 「…は……?ゲッ、これマジかぁ!?」 時計の針は遅刻スレスレの所を差している。 慌ててベッドから抜け出し支度を整え玄関へ向かう。 そのまま外へ飛び出そうとすれば背中に声がかかった。 「かいしゃでたべろ」 放り投げられたのはラップに包まれた少々不格好なサンドイッチ。 それに俺の顔から笑みかこぼれる。 「ありがとなぁ、ザン!」 「きをつけていけよ」 「おう!」 バタンと勢い良くドアを閉めて走り出す。 ザンが来てから俺の食生活は格段に向上した。素直で可愛いし言う事なしだ。 「ホント誰かさんとは大違いだよなぁ」 コッソリ名前を拝借した思い人を思い浮かべ溜め息を一つ。 その愛しの上司様に小言を貰わないように急ごうと、俺は駅目指して更に足を早めたのだった。

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